第2回講演 ユダヤ教:神と人と律法と
第2回講演
ユダヤ教:神と人と律法と
勝又悦子(同志社大学神学部)
ユダヤ人とは:ユダヤ人:ユダヤ人を母とする or ユダヤ教徒
ユダヤ教とは:ヘブライ語聖書に出てくる唯一の神を信仰、様々なユダヤ教慣習を守る
歴史概観
口伝トーラー例
* ミシュナ・シャバット7.2
安息日に禁じられた仕事の第一範疇は39種類ある。種まき、耕すこと、刈り取り、取り入れ、脱穀、吹き分け、選別、製粉、篩い、こねり、パン焼き、羊毛の刈り取り、漂白、櫛とり、結染色、撚糸、縦糸の装着、へドルの目の装着、撚糸の機織、撚糸の取り外し、結び目をつくること、ほどくこと、ふた針縫うこと、そのために切り裂くこと、鹿をわなにかけること、と殺、皮剥ぎ、塩漬け、皮なめし、二字書くこと、消すこと、建築、取り壊し、消火、点火、ハンマーでたたくこと、一つの領域から他の領域に運搬すること
*口伝トーラー ミシュナ・アボート1.14
もし、私が私のためにしなければ、誰がしてくれるだろう。私が私のためにするなら、私とは何者か。そして、今、そうしなければ、いつするのか?
*口伝トーラー:創世記ラッバ(Gen.R)38:13
『ハランは父のテラよりも先に、故郷カルディアのウルで死んだ』(創11:28)
あるときは、ある女性がやってきて、彼女に小麦粉のはいった器を出して彼に求めた。「これを偶像たちにささげてください」。彼は、棒をとり、偶像たちを壊しつくし、一番大きい偶像に棒をもたせた。父親が戻ってきて詰め寄った。「なんということをしたのだ」。彼は答えた「隠すことはできません。一人の女がやってきて、これを偶像に供えたのです。すると、一体がいいました。『わたしが先に食べる』ほかの偶像が言いました。「私が先だ」。そして、一番大きい偶像が彼らを壊してしまったのです」。「お前は私をからかうのか」と父親は叫んだ。「彼らにそんな知恵があるわけないだろう」 「ご自分の口が言ったことをお聞きになりましたか」
父は、アブラハムをニムロデのところに送った。「火を拝もうではないか」ニムロデが提案した。「むしろ水を拝みましょう。水は火を消すのですから」とアブラハムは言った。「では、水を拝もう。」「いや、雲にしましょう。雲が水をもたらすのだから」「では、雲を拝もう」「いや、かぜにしましょう。風は雲を追い散らします」「ならば風を拝もう」「いや、人間にしましょう。人間は風の中でも立っていられます」「お前は言葉をもてあそんでいるだけだ。やはり火を拝もう。お前をその中に投げ込んでやる。お前が頼みにする神に助けに来させよ。」さて、ハランは、立ったままどちらにつくか決めかねていた。もしアブラムが勝つなら、私はアブラムの信仰の者だと言おう。もし、ニムロデがかつなら、ニムロデの側につこう。アブラハムが燃えさかる炉に落とされたが、彼は無事もどってきた。ニムロデがハランにたずねた。「お前はどっちの側につくのか」「アブラムです」そこで、ニムロデはハランをとらえて、彼を燃えさかる炉に突き落とした。そして彼は焼きただれて、彼の父親の眼前で死んだ。それで、『ハランは父のテラよりも先に、故郷カルディアのウルで死んだ』(創11:28)と書かれている。